今年の日本コダーイ協会の全国大会は、日本の文明開花発祥の地、古今東西の豊かな文化が交わる国際都市、横浜市で7月 15 日から 17 日までの3日間開催されます。会場は最初の2日間(15 日、16 日)は大桟橋や山下公園の近くにある「ワークピア横浜」、3日目(17 日)は「横浜みなとみらいホール小ホール」となります。大会のテーマは「音楽教育の文明開花 今、ふたたび横浜で〜コダーイ・ゾルタンの理念を生かした音楽教育」とし、改めて音楽教育の本質を問い、今後の我が国の音楽教育のあり方を考えるという趣旨で設定させていただきました。
今回は、チェルニク・レーカ氏、秋岡陽氏、中村隆夫氏、田中厚子氏の四人の豪華な講師陣による多彩で充実したプログラム内容となっています。前々回に東京大会の講師としてこられたレーカ氏には、3日間にわたり、さらにパワーアップした合唱指導をお願いし、秋岡氏には横浜における音楽教育の文明開花について「ミッションスクールと〈トニック・ソルファ=システム〉」の視点から興味深いお話をいただきます。中村氏には松下耕の『合唱のエチュード』の指導を踏まえて、コダーイの音楽教育の理念と我が国の音楽教育をつなぐ一つのアプローチを提示していただき、田中氏には日本人としてのアイデンティティを踏まえた「西洋音楽への道筋」を改めて問いかけるわらべうたの指導が行われます。
そして3日目は大会の最後を飾るイベントとして、素晴らしい響きで定評のある「横浜みなとみらいホール小ホール」にて演奏会「ア・カペラの響き」が開催されます。この演奏会には、セミナー参加者による演奏の後、1つの児童合唱団、5つの女声合唱団が出場し、ハンガリーの作曲家以外の曲もプログラミングされています。この演奏会は一般にも公開され、日本コダーイ協会について、広く横浜市民や横浜の音楽関係者にも周知していただくとともに、協会員と一般市民が音楽を共有するという意図で企画いたしました。
現在、全国大会本番に向けて6名の実行委員は議論を重ねながら準備を行なっておりますが、皆さんに満足していただける大会になると確信しております。是非真夏の港町にお越しいただき、本大会が、日本コダーイ協会にとっても、また横浜市にとっても、そして会員の皆様自身にとってもかけがえのない、思い出深いイベントとなりますことを願ってやみません。
全国大会 実行委員長 小 川 昌 文